生前贈与のメリット・デメリット
生前贈与のメリット・デメリットを検討してみましょう。
■生前贈与とは
生前贈与とは、亡くなる前に贈与をすることをいいます。
通常の「贈与」(民法549条)と生前贈与は同一です。
■生前贈与のメリット
①相続時のトラブルを回避・軽減できる
亡くなった方が持っていた財産(権利義務)は、原則として全て遺産となります。
そして、相続人が複数人いる場合には、遺言や法律で定められた割合(法定相続分)などにしたがって、財産を分け合う(遺産分割)ことになります。
現金などであれば、財産を分けることは簡単ですが、通常相続財産には自動車や土地、家屋などの不動産、株式などの有価証券など、単純に分けることが困難な財産も含まれます。
遺産分割を裁判所を用いないで、協議(話し合い)で行う場合には、全員の同意がなければ遺産分割を行うことができません。
財産が複雑で、相続人が多ければ多いほど、話し合いが難航することにもなります。
相続におけるトラブルは、遺産分割によって生じることも多くあります。
生前贈与を行うことによって、事前に財産を相続人に移しておくことで、遺産の内容をシンプルにして、遺産分割をしやすくするなど、自分の死後のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
②相続税の節税が可能
生前贈与では贈与税の対象になります。
一定の税制優遇措置などを利用し、生前贈与を工夫して行うことによって、生前贈与を行わずに財産全てを相続財産とするよりもトータルでかかる税金を抑えることが可能な場合もあります。
■生前贈与のデメリット
・生前贈与を行うことによって税金が増えてしまう場合がある
前記の通り、生前贈与は贈与税の対象になります。
不適切に生前贈与を行ってしまった場合には、生前贈与を行わなかった場合よりも結局税金を多く納めなければならなくなるケースがあり得ます。
そのため、生前贈与を行ってメリットの方が大きいか、デメリットの方が大きいかは、各家庭の状況によって異なります。
税金の専門家である税理士などに相談して、生前贈与を行うべきか、どのように行うべきかを相談しながらすすめていくことが重要です。
川合公認会計士・税理士事務所は、新宿区に拠点を置き、全国各地での相続税に関するご相談を対応しております。また、当事務所は、弁護士や司法書士など他士業と連携していることから、相続税に関することだけでなく遺産分割協議や遺言相続、相続財産の登記など相続全般の手続きやトラブルにも対応できます。
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