株式譲渡にかかる税金|種類や計算方法、注意点など
事業承継では、会社の株式を子どもや後継者へ引き継ぐ方法として株式譲渡がよく利用されます。
しかし、株式譲渡には税金が関わるため、事前の理解と計画が欠かせません。
本記事では、事業承継における非上場株式(証券取引所に上場していない株式)の譲渡に関する税金の種類や計算方法、注意点を紹介します。
事業承継時の株式譲渡で発生する税金とは
事業承継時に、個人が保有している非上場株式を譲渡する場合、譲渡所得税がかかります。
また、株式の譲渡所得は申告分離課税の対象となり、他の所得(給与所得など)とは分けて計算されます(株式発行会社に譲渡する場合、みなし配当が発生する場合があります)。
株式譲渡でかかる税金の計算方法
株式譲渡でかかる税金の計算方法についてみていきます。
譲渡所得税の税率は20.315%
非上場会社の株式を譲渡して利益が出た場合、原則として20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)の税率で課税されます。
譲渡所得の計算式
株式の譲渡所得は以下の式で求められます。
・譲渡所得 = 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)
取得費には株式を取得した際の金額、譲渡費用には売却手数料などが含まれます。
取得費が不明な場合は「概算取得費(譲渡価額の5%)」で計算されるため、実際よりも高い税負担となるリスクがあります。
事業承継時の株式譲渡における注意点
事業承継時の株式譲渡における注意点としては、主に以下が挙げられます。
低すぎる株価設定はリスク
親族などへの株式譲渡で著しく低い価格を設定すると、贈与税が課され、税負担が増える可能性があるため、適正な評価を行うことが不可欠です。
評価額の算定に注意
非上場株式には市場価格がないため、株価の計算には「類似業種比準価額方式」や「純資産価額方式」などを用いた複雑な計算が必要です。
非上場株の売却を検討する場合は、専門家に相談しながら進めることが望ましいです。
事業承継税制の活用も検討
一定の要件を満たせば、株式の贈与や相続にかかる税金が猶予される「事業承継税制」も利用できるため、より適した承継方法を検討しましょう。
まとめ
事業承継時の株式譲渡には、譲渡所得税が発生し、株価評価には注意が必要です。
非上場株式は評価方法が複雑で、誤った設定をすると贈与税の問題につながる可能性があります。
事業承継を円滑に進めるためには、専門家である税理士に相談することをおすすめします。










