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相続税の障害者控除とは?適用要件や控除額の計算方法など

相続というのは、多くの人にとっては一生に数回あるかないかの非日常的なできごとです。

一般的に相続というと、莫大な相続税が発生するイメージを持たれる方が多いかもしれません。しかし、全ての相続において相続税が発生するわけではなく、多くのケースでは相続税は発生しません。

意外に思われるかもしれませんが、この理由を知ることが今回みていく相続税の控除と関係しています。

ここでは、相続税の計算における控除について、特に障害者控除についてみていきます。

相続税が発生するケース

まず、どのようなケースにおいて相続税が発生するのかを確認しておきましょう。

上述したように、相続税は全てのケースにおいて発生するわけではなく、実際には発生しないケースの方が多いです。

相続税は、相続人が被相続人から相続する財産の評価額から、各種控除を適用後の評価額に、定められた税率をかけて計算されます。

したがって、控除の金額が相続する財産評価額を上回れば、相続税は発生しないのです。

では、控除には一体どのようなものがあるのでしょうか。

基礎控除

適用できる代表的な控除に基礎控除というものがあります。

基礎控除は、「3,000+600万×法定相続人の数」で計算されます。

 

例えば親子5人暮らしで父親が7,000万円の財産を残して亡くなったとします。

この場合の基礎控除額は、3,000万円+600万円×4(妻と子ども3) = 5,400万円です。

相続税は基礎控除額を超えている1,600万円部分に対して課税されます。

もし仮に、父親の相続財産が5,000万円であったとすると、基礎控除額の5,400万円より少ないため、相続税は発生しません。

障害者控除とは

ここまで、相続税の計算をする上で最もポピュラーな基礎控除について確認してきました。

それでは、障害者控除について確認しておきましょう。

障害者控除は、納税者自身、同一生計配偶者または扶養親族が所得税法上の障害者に該当するケースにおいて、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。

障害を持つ方への税負担を軽減することを目的としています。

要件を満たしている場合、以下の計算式で算出されます。

 

・一般障害者

【(85歳-相続開始時の年齢)×10万円 】

 

・特別障害者

【(85歳-相続開始時の年齢)×20万円 】

 

具体例を当てはめてみましょう。

例えば353か月の一般障害者の障害者控除は次のように求められます。

 

10万円×(85−353か月)=500万円】

 

この場合、控除額は500万円です。

85歳から353か月を引くと499か月となります。

この9か月を切り上げて50年で計算します。

 

次に458か月の特別障害者の場合をみてみましょう。

 

20万円×(85−458か月)=800万円】

 

控除額は800万円となります。

85歳から458か月を引いて394か月となり、この4か月を切り上げて40年で計算します。

障害者控除の要件

障害者控除の適用を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

 

〇法定相続人であること

被相続人の配偶者および血族が該当します。

 

〇相続もしくは遺贈によって財産を取得したこと

相続税に関係する控除ですので、当然相続をしなければ控除もありません。

 

〇財産を取得した時点で日本国内に住所があること

日本国内に居住していない場合は、控除を受けることができません。

 

〇財産を取得する相続人が障害者であること

障害者控除の対象となる障害者の要件は、法律で定められていますので、適用を受けるためには要件を満たしている必要があります。

 

障害者は一般障害者と特別障害者に区分されています。

一般障害者は以下の要件を満たす必要があります。

 

・児童相談所や知的障害者更生施設などで重度の知的障害者とされた人以外の者

・精神障害者保健福祉手帳の障害等級が2級または3級の障害者

・身体障害者手帳が3級から6級までの障害者

 

次に特別障害者の要件です。

具体的には以下のような要件を満たす必要があります。

 

・児童相談所や知的障害者更生施設などで重度の知的障害者とされた者

・精神障害者保健福祉手帳の障害等級が1級の障害者

・身体障害者手帳が1級または2級の障害者

その他の控除

ここまで基礎控除と障害者控除について確認してきました。

最後に、その他の控除について確認しておきましょう。

具体的には以下のようなものが挙げられます。

 

〇未成年者の税額控除

相続人が未成年であるケースにおいて、一定金額が控除される制度です。

計算式は次の通りです。

【(18歳-相続時の年齢)×10万円 】

 

例えば相続時に16歳だった場合は「(18歳-16歳)×10万円=20万円」となります。

 

〇配偶者の税額軽減

配偶者の相続財産が16,000万円、もしくは法定相続分の範囲内までは相続税が非課税になります。

例えば妻が1億円を相続する場合、配偶者控除が適用されますので1億円は非課税です。

ただし、税額が0円でも相続税の申告は必要なので注意が必要です。

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相続税にはさまざまな控除制度が存在します。

上手く活用することによって、相続財産の評価額を抑えて、相続税の金額を小さくしたり、そもそも発生自体をなくすことも可能です。

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